つるおか伝統菓子「鶴岡雛菓子」「笹巻」「とちもち」について

 
 



 鶴岡の伝統的なお菓子は、四季の行事に合わせたもの、幸せを願い喜びを表現したものなど、人々の習わしと共に発展してきました。多くの菓子が昔から現在に至るまで地域や家庭、職人の手によって受け継がれてきましたが、特に鶴岡の特徴的な伝統菓子として「鶴岡雛菓子」「笹巻」「とちもち」の3つを取り上げ、歴史的価値や文化的価値についての調査研究を行いました。


 

つるおか伝統菓子「鶴岡雛菓子」

 鶴岡雛菓子は、当地域の食文化を象徴する菓子として、独自の発展と菓子職人の技術が継承されてきたものです。 雛菓子といえば、一般的には菱餅や雛あられが有名ですが、鶴岡では盛菓子(落雁やあめ)や生菓子(練切)が雛菓子の主流となっていて、現在でも菓子職人の手によって、春の節供を華やかに彩ります。
 鶴岡市では 3 月 3 日や月遅れの 4 月 3 日の雛祭りに、雛人形に鶴岡雛菓子が供えられます。鶴岡雛菓子は 大きく分けると二つの形式があり、一つは京菓子を踏襲したと言われる「 盛菓子 」で、これは「菊一」と呼ばれる打ち物(落雁)の上に 、 打ち物のお多福・鯛・ぜんまい・筍 などに加え、飴のひざおりや波などを配したもので、菓子というよりも飾り物と言ったほうがふさわしいものです。 昔はこの形式の雛菓子が主流となっていましたが、現在では盛菓子を製造する菓子店は 少なくなっています。
 もう一つの形式は生菓子(練切)で、鯛や海老のほか、桜鱒・庄内柿・温海かぶ・民田なす・サクランボなど、鶴岡の特産物を色鮮やかにかたどったものです。近年はこの練切で作る雛菓子が主流となっていて、市内の菓子店はそれぞれの菓子職人が 技術や発想力を高めあっています。
 江戸時代から受け継がれ、独自に発展してきた鶴岡の食文化に相応しい「鶴岡雛菓子」。ぜひ多くの方に お雛様の鑑賞とともに、鶴岡雛菓子の技術や歴史、文化を感じていただければ幸いです。


◆つるおか伝統菓子 令和3年度 「鶴岡雛菓子」調査報告書
◆つるおか伝統菓子 令和4年度 「鶴岡雛菓子」調査報告書

つるおか伝統菓子「とちもち」

 とちの実は栗とよく似ていますが 、栗とは違い、そのまま食べることができません。それを食べることが出来るようにするための技術、知恵、工夫が鶴岡では継承されています。それが「 灰汁抜き・ 灰汁利用」です。この灰汁文化は、鶴岡の食文化を語る上で切っても切り離せないものです 。
 とちもちは 灰汁文化の代表的な食べ物であり、つるおかの伝統的な菓子とも言えます。とちもちが完成するまでには、とちの実の収穫から水晒し、乾燥、灰汁抜き 、皮むき等いくつもの行程を経て、ようやくとちもちを作ることができます。
  鶴岡市では 、とちの木を共有で管理している地域もあり、 とちの実が豊富に収穫できることから、昔からとちもち作りが盛んです。特にとちの実をふんだんに使った濃厚なとちもちは絶品す 。市内産直施設では午後になると売り切れとなるなど市民にも観光客にも人気があります。

◆つるおか伝統菓子 令和3年度「とちもち」調査報告書

つるおか伝統菓子「笹巻」

 鶴岡の笹巻は、とちもちと同様、 灰汁を利用して作る伝統 的な食文化として受け継がれています 。端午の節句の行事食として食されてきた「笹巻」は 、灰汁を利用することで保存がきく独特の食感のある黄色い笹巻となります。 断定はできませんが 、230 年以上の歴史を持つ食べ物と考えられます 。
 庄内地方の北部に位置する 酒田市では灰汁を使用しない白い笹巻が主流 となっていて 、同じ庄内地方でも 、 灰汁を使う黄色い笹巻が主流の鶴岡市とは作り方が違います。同じような地域で作り方が違うという点も興味深いと言えるのではないでしょうか 。
 灰汁を使うことで、保存期間が長くなり、また食感もプルンとしたゼリーのような鶴岡の笹巻 。巻き方も 様々あり、地域や家庭で継承されています。最近は、保存がきくこともあり産直施設等で販売されています。ぜひご賞味 いただくとともに、ご家族・ご友人へのお土産品にどうぞ!

◆つるおか伝統菓子 令和3年度「笹巻」調査報告書
◆つるおか伝統菓子 令和4年度「笹巻」調査報告書

鶴岡市の「笹巻」が文化庁の「100年フード」に認定されました!
 ※「100年フード」とは、我が国の多様な食文化の継承・振興へ機運を醸成するため、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を、文化庁が認定しているものです。
 「100年フード」の詳細については「100年フード」公式ウェブサイト(外部サイト)をご覧ください。

「笹巻・とちもち」シンポジウム

 
2022年10月23日(日)に荘銀本店ホールにて令和4年度 食文化シンポジウム『「笹巻・とちもち」食文化の魅力と可能性』を開催しました。
当日の様子はこちら⇒ 【開催報告】食文化シンポジウム『「笹巻・とちもち」食文化の魅力と可能性』を開催しました。 | 新着&イベント情報 | ユネスコ食文化創造都市・鶴岡 (creative-tsuruoka.jp)

 

鶴岡雛菓子シンポジウム

 
2023年1月29日(日)に東京第一ホテル鶴岡 鳳凰の間にてつるおか伝統菓子「鶴岡雛菓子シンポジウム」開催しました。
当日の様子はこちら⇒ 【開催報告】つるおか伝統菓子「鶴岡雛菓子」シンポジウムを開催いたしました。 | 新着&イベント情報 | ユネスコ食文化創造都市・鶴岡 (creative-tsuruoka.jp)

 
 
 
 

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